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「骨粗鬆症を治すには」

(全文紹介)

骨粗鬆症ってどんな病気?

 皆様、こんにちは。自然食ニュース主幹の仙石紘二でございます。きょうは骨のトラブルである骨粗鬆症についてお話したいと思います。
 骨粗鬆症というのは骨の成分量が減少し、骨の組織も変化して骨がもろくなり、骨折しやすくなった状態を言います。つまり、骨の成分であるカルシウム等が少なくなり、内部がすかすかの状態になり、骨がもろくなってしまうのです。
 骨粗鬆症は特に高齢者に多く、男性は60才を過ぎてから徐々に増え始めるのですが、女性はそれよりもずっと早く50才代から急激に増え始めます。また、男女の比でも1対4で圧倒的に女性に多く、これは閉経期以降、女性ホルモンの分泌が極端に悪くなるという、体質的な差によるものと言われています。
 骨粗鬆症の人は、現在、予備軍を含めて1000万人を超えると言われるほど多く、最近ではこれは単なる老化現象ではなく、若い時からの食事内容や運動の習慣が大きく関係している、いわゆる生活習慣病であると言われるようになっています。ですから骨粗鬆症にならないようにするには、若い時から食事に気を付け、骨に打撃などの刺激を与えるような運動をすることがとても大切です。
 この地球上の生き物は全て、植物でも動物でも成長のピークに達するまでの時間の、大体4倍から5倍は生きています。人間も25才位の時には大人になりきっているわけですから、それを4倍すれば100才、5倍すれば125才、このへんまでは生きられるのではないかと思います。しかし年をとり、ちょっと滑って転んだりすると骨が折れてしまったり、そのために寝たきりになったり、ぼけが急速に進行してしまったりということがあります。それではいくら長生きをしても、充実した生活が送れなくなってしまいますね。そこできょうは、骨粗鬆症の予防と治療についての具体的な方法を皆様にご紹介したいと思います。
 それでは骨粗鬆症になると、どんな症状が現れるでしょうか。骨からカルシウム等が抜け出していくと、まず、歯に老化があらわれ、歯が植えてある歯槽という歯を支えている桶のような所の骨がグズグズになります。こういう時には、骨粗鬆症の治療をすれば歯もしっかりしてくるということなのです。また、骨がもろくなっていますから、転んだり、つまづいたり、ひねったりという、ちょっとしたことで、骨折しやすくなります。
 特に骨折しやすいのは手の親指側のとう骨という骨や、ももの付け根、そして背骨などです。そして背骨に大きな負担がかかると、すかすかになっている骨が体重によって圧迫されて潰れるため、背中が縮んで背が低くなったり、背中が曲がってきます。同じように腰痛、関節痛、膝の痛みにしても、骨粗鬆症が進行しているからだと気が付かない人は多いのです。年をとってくると関節が変形するのは、骨の中のカルシウム、マグネシウム等が抜け出していって、自分の体の重みで潰れてくるためです。また、座骨神経痛や手のしびれ等も、骨が潰れて神経を圧迫していることが多いのです。ですから骨を丈夫にする工夫をすれば、こうした症状も改善されていきます。

骨粗鬆症を防ぐのに必要な微量栄養素

 それでは骨粗鬆症を防ぐには、どのような方法があるでしょうか。骨のためにはカルシウムさえ摂っていれば良いと考えがちですが、それだけではなくマグネシウム、亜鉛、マンガン、セレニウム等のミネラル、そしてビタミンではAやD、K等を充分に摂取することも必要です。
 これらが必要な理由は、まずマグネシウムはカルシウムと体内で拮抗関係にあり、カルシウムだけを過剰に摂取するとマグネシウムが排泄されてしまい、かえってマグネシウム不足を招いてしまうのです。マグネシウムを多く含む食品は大豆製品、こんぶ、ごま等、カルシウムを多く含む食品に、小魚、ひじき、緑黄色野菜等がありますから、日頃から気をつけて摂るようにすると良いでしょう。そして骨量を増やすためには、亜鉛、マンガン等のミネラルをバランス良く摂ることが必要です。
 また、セレニウムは膝などの関節の痛みをやわらげる効果があります。犬の関節炎の治療には早くからセレニウムとビタミンEを組み合わせたものが使われていて、人間の関節炎の予防や治療にも、この経験が生かされています。セレニウムはビタミンEと共に働いた時に、その効果が増すからです。
 そして、ビタミンAやKは骨の形成、造骨を助けてくれますし、Dは骨の新陳代謝を活発にして、腸からのカルシウムの吸収を促します。
 また、関節に痛みがあるような場合は、コラーゲンの不足も考えられます。蛋白質の一つであるコラーゲンは、骨の組織にカルシウムが定着するのを助け、関節の軟骨をなめらかにして潤滑油の役目を果たしています。そしてこのコラーゲンを体内で合成するにはビタミンCがどうしても必要になります。
 このように骨粗鬆症の予防や治療には様々な栄養素が関わっていますが、しかしこれらの微量栄養素を全て食べ物から、バランス良く充分に摂ることは、困難です。それは一つには地球環境の問題や農作物の栽培方法等に関係しています。例えば、酸性雨によってカルシウムを始めとするミネラル分が野菜の中に吸収されにくくなり、化学肥料や農薬を使った促成栽培の野菜は、そこに含まれる栄養素が有機栽培のものや昔に比較して、ずっと少なくなっているのです。
 これは収穫時のニンジンに含まれるビタミンCの量を、有機肥料の露地栽培物と化学肥料と農薬を使ったハウス栽培物で比較したものですが、有機肥料の量が100%のものは有機肥料を使わなかったものに比べて、ビタミンCは30%程度多くなっています。
 また、現代のようにストレスの多い社会では、そのストレスに対抗するため、体内でビタミン、ミネラルが多量に消費されます。そのためこれらの栄養素を簡単にたっぷり摂るためには、総合微量栄養素サプリメントを、毎日の食事と一緒に摂ることをお勧めしています。これが骨粗鬆症を治すための第一の方法です。
 サプリメントを摂っていると、実際に爪の伸びがすごく良くなります。現在はいろいろなサプリメントが売り出されていますが、まずは骨のミネラルや骨の形成を助けるビタミン類が、総合的に入っているサプリメントを探しましょう。
 また、カルシウム、マグネシウムは体内で吸収されにくいので、吸収されやすいように工夫されているものを選ぶと良いでしょう。さらに、体内に吸収されたカルシウム、マグネシウムは、骨に付かなければなりません。

骨の形成のメカニズムとかかと叩きのすすめ

 しかし骨というのは、こういうミネラルが、そう簡単にはつかないところなのです。そこで骨がどのように作られるのか、そのメカニズムを見てみましょう。
 人間の骨にも新陳代謝があり、5年から7年位かかって全部入れかわります。そのメカニズムに、関与しているのが破骨細胞と骨芽細胞と呼ばれるものです。人間の体は全身、細胞でできていますが、骨も例外ではありません。この骨の細胞には2種類あり、それが破骨細胞と骨芽細胞です。破骨細胞は24時間体制で働いて、骨の中からカルシウムやマグネシウムを外へ放り出します。世の中で捨てる神あれば、拾う神ありと言われますけれども、この捨てる神にあたるのが破骨細胞で、拾う神の骨芽細胞は、血液の中からカルシウム、マグネシウムをどんどん拾って骨につけていきます。
 そして骨粗鬆症というのは、この破骨細胞の働きが過剰になり、骨芽細胞の働きが追いつかないか、骨芽細胞の働きが抑制されて骨の形成が不充分になった結果、起こります。
 単純にカルシウムをたくさんとれば、それで骨ができるかのように思い込みがちですが、この骨の形成のメカニズムがうまく働かなければ、どんなにカルシウムがあっても、骨にはなっていかないということです。それではどうすれば良いかと言うと、電気的刺激で骨芽細胞を活性化する方法が、注目されています。
 それにはただ骨を叩けば良いのですが、私どもはカカトを叩くことをお勧めしています。お相撲さんは何故、骨太になるのか、その理由の一つには、年柄年中しこを踏んだり格闘技をしていますと、骨に打撃の刺激が充分にいくということがあるのです。
 骨を叩くと、その圧力で叩かれた骨の中に電気が生まれます。これは火打ち石を叩くと、火花が出るのと同じ原理です。そしてこの電気は電流となって、全身の骨に伝わります。これは発見したのがイタリア人のピエゾという人でしたから、彼の名前をとってピエゾ電流と呼ばれ、この名前は広辞苑にも載っています。つまり骨の1ヶ所を強く叩くと、全身の骨の骨芽細胞に電気ショックを与え、活性化させるわけです。そしてこの打撃の刺激によって、血液の中のカルシウム、マグネシウムを、どんどん骨の中にとりこむことが可能なのです。
 具体的には打出の小槌と称しまして、このようなきずちをお勧めしていますが、これで足のかかとを叩きます。足をこのようにして、かかとを後から直角に叩きます。よく足を叩くというと、足の裏を叩く方がいらっしゃいますけれども、足の裏には東洋医学で言うツボがたくさんありますから、足の裏もついでに叩くと良いでしょう。このきずちは自分専用のものをいつも手元に置いて、片足50回から100回、毎日叩くようにしますと、骨を作っているカルシウムの量がどんどん増えてくるのです。そして叩く時に大切なことは、骨にコツコツといった響きをあたえるようにすることです。痛くなる程、強く叩き過ぎてはいけませんが、ある程度は強く、コツコツという響きが大切です。これが骨粗鬆症を治すための第2の方法です。そして電気的刺激を与えても、血液の中にカルシウムがなければなりません。そこで総合微量栄養素サプリメントなどでたっぷりのカルシウムをマグネシウムと一緒にとれば、それらをどんどん骨に取り込むことができるわけです。
 始めに骨粗鬆症は女性に多いとお話しましたが、特に閉経後に女性ホルモンが激減して、その中でも骨を強化するエストロゲンというホルモンが減少すると、骨芽細胞の働きが急に衰え、破骨細胞の働きが優位になってしまうので、骨量が急速に減少して、骨粗鬆症になるのです。その影響で50才を過ぎて、背が低くなるような方もいらっしゃいます。そういう時には、総合微量栄養素と一緒に、老化に伴って分泌量が減少するホルモンのDHEAを、サプリメントで補充すると良いといわれています。それと一緒に、毎日かかとをコツコツと叩いていただくと、1ケ月で1センチ程度、回復された方もたくさんいらっしゃいますから、是非お試しください。

牛乳、ヨーグルトなどは摂ってはいけない

 そしてこの他に気をつけなければならないのは、毎日の食生活ですが、牛乳、ヨーグルトなどは摂らないことが大切です。これは骨粗鬆症を治すためにも、また予防するためにも、とても大切なことです。
 戦後になって、日本人は牛乳の摂取量が急激に増えてきました。牛乳にはカルシウムがたくさん含まれていますから、カルシウムの摂取量もそれに従ってどんどん増えました。ところがそれと同時に、骨粗鬆症の人も増え、現在では潜在的な人まで入れますと、糖尿病の人よりも多いと言われています。その理由は日本人の体質に、牛乳は基本的に合わないということがあります。
 日本人の95%は乳糖不耐症という体質だと言われています。これは離乳期の後、腸の中から乳糖を消化するラクターゼやガラクトキナーゼという酵素がなくなってしまう体質で、牛乳を飲んでもうまく消化吸収できず、下痢っぽくなってしまいます。そして当然、カルシウムもうまく吸収することができないのです。こういう乳糖不耐症の人が牛乳を飲んでいると、乳糖と一緒になっているカルシウムの排泄が促進されるだけでなく、他の食べ物から入ったカルシウムも道連れにして外へ出してしまいます。そうすると体内のカルシウム量は当然少なくなり、それが骨粗鬆症に結びついてしまいます。
 乳糖不耐症の人が牛乳を飲みますと、食中毒の症状に似た症状を起こします。腹痛、腹鳴、不快感、吐き気、嘔吐、下痢をする人が多いのです。また、牛乳には脂肪分が多く含まれていますが、カルシウムは脂肪と結合すると吸収されにくくなることがわかっています。この脂肪分は腸などの消化器にあぶらの膜を張り、カルシウム等のミネラルと結合して不溶性の塩を作り、カルシウムを排泄させるだけでなく、吸収しやすいカルシウム・イオンになることを妨害するのです。
 また、動物性の蛋白質にはリンがとても多いのですが、牛乳も例外ではなく、リンは人間の母乳の6倍にもなるのです。このリンとカルシウムは体内で1対1のバランスをとろうとする関係にあります。牛乳に含まれるカルシウムとリンの関係は理想的だと、よく言われます。しかし、このうちカルシウムが体内に吸収されにくくても、リンは吸収されてしまい、結果としてリンが体内で過剰になります。そうすると過剰なリンとバランスをとるために、骨の中に貯えてあるカルシウムが溶け出して、まかなわれるということになってしまうのです。
 また、これまでの話を裏付けるように、日常的に牛乳を飲む欧米人では、老人の骨折は日本人よりもずっと多いのです。例えば骨粗鬆症の人に多い大腿骨骨折の出現率を見ますと、北欧やアメリカでは日本の4倍から6倍も多くなっています。また、欧米のような高脂肪の食生活も、カルシウムの腸からの吸収を妨げると考えられます。
 さらに自然の摂理ということから考えますと、動物はそれぞれの発育に最も適した、濃度も成分の配合も特有の乳を持っているのです。一般に発育の早い動物ほどその成分は,蛋白質やミネラル濃度が濃くなっています。このことから考えても、牛乳は人間には適していないのです。

詳しくは『自然食ニュース』掲載の記事をお読み下さい

 私どもの自然食ニュースでは、牛乳は骨粗鬆症をもたらすという研究を発表されている先生方、例えば新潟大学名誉教授で小児科の堺薫先生や、東京大学名誉教授で世界的に有名な生理学者の星猛先生などにお会いしてお話を伺い、インタビュー記事を掲載しております。是非ご覧頂きたいと思います。
 以上、骨粗鬆症の予防と回復の3つのポイントについて、お話してまいりました。この方法を実行された方々の体験談もいろいろ伺っております。
 例えば現在62才の女性ですが、それまで強度の更年期障害に苦しんでいたのが、総合微量栄養素サプリメントを飲み、食生活の改善をされ、腰痛と骨粗鬆症の予防にと毎日かかとを木槌で100回ずつ叩き続けた結果、3年後には20才の人と同じ骨量と診断された方、また、同じようにして55才の女性は、半年後には同年齢の人の骨密度の平均を22%も上回り、20台の女性の平均値になり、お医者様もその変化に興味を示したそうです。そして、44才の看護婦さんは総合微量栄養素サプリメントを摂り始めた頃に、ご自分の病院で骨密度等を測り、3ヶ月後に測りなおした結果、骨密度は既に9%も増加し、骨量も増加していました。また、64才の女性は、1年ちょっとで身長が3センチも伸びたということがあります。知らず知らずのうちに骨粗鬆症が進行して骨が潰れ背が縮んでいたのが、骨が丈夫になった結果、背中が伸びて以前の身長に近づいたということなのです。
 この他、60才、70才、80才になっても、総合微量栄養素サプリメントを普通の成人と同じ量、飲んでも良いのかという疑問をお持ちになる方もいらっしゃいますが、これはその方の体格や体質によって異なって参ります。しかし80才を過ぎたある女医さんがいらっしゃいまして、始めは特に病気ではないからということで、半分の量飲んでいたそうですが、ある日思いたって成人と同じ量を飲み始めたところ、がぜん体の調子がよくなったそうです。こういうこともありますから、80才を過ぎてもあきらめずに、是非お試しいただきたいと思います。
 骨粗鬆症はこのように根本的食生活改善を実行して、牛乳をやめ、総合微量栄養素サプリメントで毎食カルシウム等のミネラルやビタミンを充分摂り、きずちで毎日かかとを叩くという方法で、予防と回復をはかってください。どちらさまも百才近くの天寿が来るまで、きっと元気ピンピンで、楽しく暮らすことができると思います。(終り)

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