物忘れ・認知症56

 多くの日本人が、食べると腸の調子が悪くなる蛋白質に、グルテンとカゼインが知られるようになってきました。
 グルテンは小麦、カゼインは牛乳製品に多く含まれています。
 小麦は精白小麦も全粒粉も危ないのです。どの小麦にもグルテンが含まれているということは、パンもうどんもパスタ類も、グルテンが含まれているということなので、うっかり食べたら、ひどければ蕁麻疹のように皮膚に炎症が起きたり、体のどこかにかゆみが出たりということになりかねないということです。
 洋食が多い人は、広範囲の動物性食物がアレルギーを起こすということを知っている人でも、小麦にはあまり用心しない人が多いと思われますので、これからは、小麦も危ないということをこれを機会に是非知って危機を未然に回避して戴けたらと思います。

グルテンの怖さは アレルギーだけでは ない 〜グルテンで 脳内炎症も〜

 グルテンはまず小腸で吸収されますが、大腸でも吸収されます。糊みたいな性質を持つグルテンは、腸内細菌が吐き出した毒素と密着し、からまった毒ごと吸収されて、毒を脳に運び込むので、脳に炎症が起きる原因となります。
 脳内炎症は、様々な神経伝達物質の働きを妨害してしまうので、俊敏利発な反応ができなくなります。早い話が動作がとろいバカに近づくわけです。運動選手には特に痛いマイナスです。
 これはアレルギーではなくグルテンに引き起こされる脳毒被害です。運動選手は頭がまともに働かなくては勝てません。オリンピックを控えて運動選手は、「小麦を食べては駄目なんだ」、「洋食は腸内で毒素を出す悪玉菌を増やしてしまうので、命取りになるんだ」ということを自覚してもらいたいものです。
 また、グルテンが脳でモルヒネに似たペプチド成分を発生させることがあり、感情の高ぶりを誘ったり、食欲の亢進をもたらすので、小麦食品を止めようとしても、タバコが止められない時と似たような禁断症状が出て、気がついたらまた食べていた──という、何故かやめられない結果になる人が多いのです。こうしたこともグルテンによるアレルギーというわけではありません。
 国の財政をめちゃくちゃにしかねない巨額のメイン会場を作ることになったオリンピックで何が何でも国威発揚をするには、まず、日本選手の食事からグルテンを除く「グルテンフリー」食から始めて欲しいですね。
 運動選手とコーチ陣には、まず何をおいてもグルテンフリーで世界一になったプロテニスプレイヤーの著作『ジョコビッチの生まれ変わる食事』(三五館刊)を味読して参考にしてもらいたいものです。

もし、グルテン アレルギーなら…

 今のところ1%の人しかならないと言われる小麦グルテンアレルギーですが、しかし、このアレルギーは命取りになりかねません。
 まず小腸や大腸の内壁が壊れます。大便になりつつある流動物と体組織を隔てる腸の内壁が壊れるのですから、猛烈な腹痛と下痢は免れません。1時間に1回トイレに行くようになったら、アレルギーで腸が壊れ始めていると警戒してください。
 こうなると、栄養の吸収がうまくできなくなるので、栄養失調で体重は減るケースが多くなります。逆に吸収されてはまずい大便成分の分子量が大きいものも境界面を勝手に通過してしまい、血管内にも入り込んだりすると全身に運ばれます。
 これが免疫細胞に抗原として認識されると抗体もつくられ、活性酸素の出番となって激しいアレルギー反応や炎症が随所で起きたり、クローン病の原因になったり、大腸で起これば潰瘍性大腸炎になって悲願の志もかなわず、自分のポストを投げ出さざるを得ないようになる人もいます。
 新薬では一時は良くても、長期になるとまず抑えきれません。良い薬ができましたと言われて新薬を飲むうちに、耐性で次第に効かなくなるだけでなく、その副作用で体温も免疫力も落ち、酸化物質の種まきが起こされ、いたるところがガンの芽だらけになりかねません。
 ガンとして大きく成長するのに数年はかかりますので、その前に脳に自信がなくなってきたら、まだ自己判断ができるうちがポストの降り時です。
 しかし、グルテンは脳内麻薬として一時妙なハイな気分をもたらすこともあるので、自分では降り時に気がつかないケースが多いので、周りは用心を要します。偏頭痛や、うつもグルテンアレルギーの症状として表れる時もあるので気をつけましょう。脳の破壊の行き着く先は認知症です。日本に認知症が増えてきた背景の一つにパン食、パスタ食の普及があることを忘れてはいけません。
 脳に自信がなくなってきた時は、まずパン、うどん、麺、パスタ、スパゲッティー、ピザなどグルテンを含む食品と、体温より冷たい食品の摂取をやめて様子をみることにしましょう。

糖尿病も 小麦グルテンの 摂取から

 今や国民病と言われる糖尿病もグルテンに富む小麦食で起こるのです。
 小麦のような高炭水化物が吸収されると血糖値が上がります。血液内に糖分が多いと、臓器や神経が酸化する元になるので、何とかインスリンを出したり、体内に脂肪細胞を増やしたりして、血糖を筋肉細胞内や脂肪細胞内に取り込もうとします。
 血糖値が高いほどインスリンは沢山分泌されますが、それを感じるインスリンレセプターは働き過ぎで酸化して劣化し鈍感になるとさらにインスリンが分泌されるという悪循環になります。これで糖尿病になっていくのです。内臓脂肪の量が増えると、悪玉腸内細菌の毒素と相まって、体のあちらこちらに炎症の悪循環も始まり、多臓器で、同時に細胞内感染症が始まります。
 これを効果的に抑えるには善玉菌を増やして定着させる水溶性食物繊維を十分とり、腸内フローラを安定させるのも大事です。そのためにも小麦食を止め、悪玉菌を増やさない工夫、つまり動物性食品は排便が臭くなるほどは食べないという洋食のセーブと和食の見直しが有効なのです。