物忘れ・認知症47

 日本では65歳以上のお年寄りに認知症が猛烈な勢いで増えていますが、そのうち3割ぐらいは脳血管性の認知症と言われています。脳梗塞や脳出血などの、 悪い影響が出て認知症になるのが脳血管性の認知症です。潜伏期間が長いと言うか、ゆっくりと進行するアルツハイマー型と違って、急に進行することが多いのです。ある日を境に、突然怒りっぽくなるとか、性格が変わったとか、急激に物忘れが激しくなった、話し方が異常になった、という時には脳血管性認知症が心配です。適切な対応によって血液の流れが良くなれば、回復の可能性も十分・br> ります。初期であれば血栓を溶かして血液の流れを良くするミミズや納豆の健康食品などを活用してみるのも良いと思います。
 大事な血管が傷つく原因としては、牛や豚などの哺乳動物の肉を食べると、Gc(Nグリコリルノイラミン酸)という糖鎖が栄養成分として血液の中を流れ、それに対してヒトは白血球が活性酸素を使う免疫反応を起こすので血管が内側からほころび始め、そこにコレステロールが溜まって血流を悪くし、脳細胞に十分な酸素を与えることができなくなったり、老廃物の処理がうまくいかなくなったり、血圧が上がったりしている人が多いのです。
 いま、まるで国を挙げてのキャンペーンのように、年をとったらお肉を食べましょうと繰り返し繰り返し広く言われ、そのようにしている人が多いと思いますが、それこそ動脈硬化・高血圧のもとになるのに、多くの人は医者で検査を受け高血圧の薬をたくさん飲んでいるのが現状ではないでしょうか?

 高血圧薬の問題

 血圧は心臓が収縮して作りますが、心臓より高い位置にある脳に血液を十分送り込むためには血圧をそれなりに上げないと不可能です。しかし、牛肉や豚肉を結構な量食べていると、血管が年不相応に老化が進み、ボロになってしまうので、心臓が頑張って血圧を十二分に上げないと脳の隅々まで血液が回ってくれないのです。それなのに、そんなに血圧が高いと、血管が傷むからと言われ、血圧を下げるお薬を処方され飲んでいる人が多いのではないでしょうか? 昔は180を超えないと高血圧とは言わなかったのに、今や140とか130を超える
と血圧が高いと言われ薬を処方される時代になっています。
 この基準の変更には、それを決める立場の学者や専門医に対して、製薬メーカーからの巨額の寄付金がばらまかれたことは周知の事実です。血圧を下げる薬を飲めば、その薬には血管拡張成分が入っているので、飲んだ人は全身の血管が拡がって血圧が下がるようになっています。心臓より下のお腹とか太股とかふくらはぎとか足のつま先まで血管が拡がるわけで、血液は万有引力により身体の中を下肢に落ちていくので、当然その分脳に上る血液が少なくなります。また脳梗塞も起きやすくなります。ここに来て老人の認知症が急激に増えている原因の
一つとして、この牛や豚の肉食過多と血圧の薬の常時愛用の問題があるのです。
 よく、血圧の薬を飲まないと高血圧で血管が破れ脳出血を起こしてヨイヨイになってしまうとおどかす論調もありますが、そんなことはありません。お医者様が持っている水銀柱血圧計の目盛りを見ると、上限が300です。これは普通では心臓は300以上の血圧は出せないことを意味しています。
 300位の血圧で破れるような脳動脈を持っている人はまずいません。実際に脳出血を起こす時には少なくとも300×2倍、つまり600以上の血圧で破れることがあると言われています。これは心臓が作れる血圧ではなく、動脈壁の中に仕込まれている筋肉が、食べた肉が固くなってしまったことによる便秘などのために腐敗し、有毒ガスや酸性腐敗便を作り、その悪影響で脳の動脈の壁の筋肉が足の筋肉が寝ている間につることがあるように痙攣を起こし、それで血圧が驚異的に上がったことで、弱いところが破れたせいなのです。すでに血管がボ
ロになっている人は、血圧が高くないと脳の隅々まで血液が流れてくれないのです。
 それを目の敵にして血圧を下げようとお薬に頼ると裏目に出る危険性が高いのです。

 コレステロール問題

 似たような問題としてコレステロールの問題もあります。血圧が高いと言われ血圧のお薬を飲んでいる多くの人がコレステロールを下げるお薬も処方されている方が多いのです。これも製薬メーカーと処方するお医者様のドル箱かもしれませんが、大いに問題です。コレステロールの値が高い人ほど長寿を保っているという統計はよく知られていますが、動脈硬化のところにコレステロールが溜まっているからこれを解消するためにコレステロールを下げるお薬を飲みなさいと言われるのです。ヒトと共通祖先から進化したゴリラの血液を調べると、人間
の1・5倍のコレステロールが検出されると言います。しかしゴリラには動脈硬化とか高血圧とかありません。これはもともと植食動物のゴリラには、 Gc問題がないので、血管の内壁が血中Gcに対する免疫反応でほころぶということがありません。コレステロールの値は人間より高くても、動脈壁に溜まるということがないのです。だから、ゴリラには動脈硬化もないし、高血圧もないし、脳血管性の認知症もアルツハイマー型認知症もないのです。ここのところをよく考えていただいて、Gcまみれの牛や豚の肉は食べないというのが、脳血管性の・br> F知症にならない最良の生活習慣だということに思い至っていただければ幸いです。年をとったらしっかりと動物性タンパク質をとろうと大キャンペーンが行われても、植物性タンパク質をしっかりとる、魚肉でタンパク質をとるというのが正しい対処なのです。

  糖新生

 今の栄養学では3大栄養素として、糖質、タンパク質、脂質が挙げられます。そしてたとえ糖尿病でもカロリー制限をして糖質をその6割ないし4割はとりましょうと言われます。糖尿病でお医者さんに食事療法を指導される時もこれを申し渡されます。
 しかし、これも極めて疑わしい話です。最近、認知症は脳の糖尿病と言われることが多くなりました。糖尿病は血糖値が慢性的に高い病気なのでこれを下げるためには、しっかりした糖質制限が極めて有効です。
 よく脳の栄養はブドウ糖だから、消化されるとブドウ糖になるデンプン、つまりご飯とかパンとか麺類とかは常時食べていないと頭の働きが悪くなるとか言われますが、これもおかしな話です。脳を持っているのは人間だけではありません。
 犬も猫も牛も常時脳を働かせています。これらはデンプンは食べていません。なのに脳は24時間働いています。脳を働かせるのに必要な最低限の糖質は糖新生と言ってタンパク質から作っているのです。それは犬も猫も牛馬も人間も一緒です。
 つまり我々人間も仮に糖質を制限して摂取量をゼロにしたとしても脳が働けなくなることはありません。体の糖尿病も脳の糖尿病つまり認知症も糖質制限に積極的にチャレンジして血糖値を安定的に下げる工夫をされてみてはいかがでしょうか?
 タンパク質と脂質を主力として糖質はほんのおしるし程度しか食べなくても、糖尿病や認知症に悪いということはありません。ただ食物繊維に富む野菜類もしっかりとって便秘は起こさないようにして下さい。
 また体の中で消化や新陳代謝の場面でしっかり活躍している酵素を働かせる補酵素、つまり微量栄養素のビタミンとかミネラルなどはサプリメントを活用してでもしっかりとって下さい。

 冷飲食にご注意

 これから暑い夏がきますが、熱中症にならないように水分をとりましょうとやかましく言われます。水分を十分とることは認知症の対策としても大事なことですが、この水分を冷たい水でとると裏目に出ます。
 この宇宙で一番温めにくく冷めにくいものは水です。これを腸の温度より冷たくして飲んだら腸を冷やしてしまい、そこで活躍している免疫細胞を働けなくしてしまいます。これが結果的に腸内の細菌を白血球がくるんだまま殺さないで全身にばらまいてしまうもとになりかねません。
 これが脳で悪さをすれば認知症のもとになりかねません。近年夏が特に暑く、水分をとるようにやかましく言われ、冷たい水をたくさん飲むことが糖尿病も認知症もとめどもなく増やす危険性を増していると思われます。夏でも腸温より低い温度の水分はとらないようにしたいものです。水分をとる時には少なくともぬるま湯でいきたいものです。