物忘れ・認知症○

イチョウ

認知症に イチョウ葉エキスの 治療薬

 イチョウの緑葉から抽出されたイチョウ葉エキスは、脳の血流を良くする結果、脳血管性のタイプでもアルツハイマー型でも、予防でも改善でも、それなりに調子が良くなるといわれて、もうかなりの年月が経っています。
 はじめはドイツで、日本から輸入した銀杏の葉っぱを原料に認知症の医薬品として研究され、治療の世界で着々と実績を積んできました。
 今では医薬品とは別に、認知症対策のサプリメントとしても一番人気になっています。サプリメントとしても多くの人が納得できる効果をあげてきたからでしょう。
 脳の血流を改善させるイチョウ葉エキスの効能に関しては、約50年前から主としてドイツで研究と臨床試験が繰り返され、認知症だけでなく、末梢動脈閉塞症、耳鳴り、めまいの治療薬として認可されており、ユーロ圏以外にも盛んに輸出されて、今では世界60ヶ国以上の国において、治療薬としての実績を築いています。ドイツの認知症用の薬としては、イチョウ葉エキスの売上規模が1位になっています。

イチョウの 驚異的生命力

 イチョウは、現存する植物の中では最古の一つです。人類がこの地球上に姿を現すはるか前、約3億年前の古生代に出現したあと、あらかたの植物が姿を消した大氷河期にも種の形で命をつなぎ、かろうじて絶滅せず、現在に至っているので、極めて強い驚異的な生命力を内に秘めている植物といわざるを得ません。いったいどこにその秘密があるのでしょうか?

イチョウ葉の 抗酸化作用に優れた 「フラボノイド」

 イチョウ葉には特有のフラボノイド数種があり、これらは極めて強い抗酸化力があるのです。フラボノイドとは、植物が、紫外線・温度差・乾燥などの環境変化やウイルス・細菌・害虫などの外敵から身を守るために、葉や樹皮などに自然に持っている抗酸化成分です。
 イチョウ葉は、ケルセチン、ケンフェロール、イムラムネチン等の30種類以上のフラボノイドを持っており、これらの強力な抗酸化力があればこそ、激しく変化する地球の長い歴史の中でもイチョウは生命を保ち続けてこれたのです。
 このフラボノイドを、人間の体内にうまく取り入れることができれば、人体内にあっても抗酸化力を発揮し、主として免疫システムにおいて、大きな働きをしてくれます。人体内で不断に発生する活性酸素やフリーラジカルを抑制・消去してくれるからです。
 この力が免疫力を助け、また、血液サラサラを保障し、血管の柔軟性も維持し、動脈硬化や高血圧を防いでくれるので、たいがいの生活習慣病の予防や治癒にプラスの働きをしてくれるのです。
 普段の食べ物では、主として野菜や果物が一定量のフラボノイドを供給してくれます。イチョウの実である銀杏はもちろん、それ以外の木の実・草の実も意外と沢山の種類のフラボノイドの供給源になってくれます。人間はもともと熱帯雨林でもっぱら木の実・果物・若葉などの植物を食していた霊長類の動物ですから、これらは本来の食性にも合う食物です。
 しかし、動物性食品が増え、日常の食生活でとれる野菜や果物程度では、時間に追われるビジネス環境で厳しい人間関係で暮らさざるを得ない現代生活では、激しく消耗するフラボノイドの必要量を十分に確保しきれない人が殆どです。
 それどころか、その自覚なしで深刻なフラボノイド不足になっている人が圧倒的に多いので生活習慣病が止めどなく増えてしまうのです。
 人間は本来、もっぱら植物を食べて生きる霊長類のトップということを忘れ、便利とおいしさ第一に、加工食品や動物性食品を食べ過ぎて、フラボノイドの乏しい食生活で生活習慣病のリスクを増やして1億総半病人になってしまい、たいして高齢でもないのに認知症予備軍が増えてしまっているのが現代人の大問題です。
 フラボノイドが慢性的に不足しているので、老化の進行に伴い、血行不良が原因の肩こり、冷え性、便秘等が多くなり、それが高じて心筋梗塞や脳梗塞などになっていく人が多いのです。これらがさらに高じて認知症になる前に、抗酸化力に優れたフラボノイドを保有するイチョウ葉エキスをサプリメントで日常的にとり、脳を含む全身の血流を良くしたいものです。

脳血流改善と 認知症の予防に 数多くの臨床実績

 ドイツをはじめとしたヨーロッパ諸国では、イチョウ葉エキスは、臨床試験、疾病治療を経て脳血流改善と認知症の医薬品としても認可されています。
 イチョウ葉固有の有効成分である「ギンコライド」が抗炎症作用、抗血栓形成作用、虚血状態の回復作用、脳循環系機能障害の抑制作用に優れた働きを証明されたからです。
 イチョウ葉特有のフラボノイド類の強力な抗酸化力が合わさって、毛細血管の拡張、老廃物の排泄、血圧の調整、脳血流循環の改善に、そして、脳梗塞や動脈硬化の予防に、大きな役割を発揮します。
 脳は、血液循環、呼吸、代謝、消化、体温調節等の生命維持活動だけでなく、情報を認識・処理し、記憶や学習、思考、感情、意識等の精神活動を担って、全身を統括しています。その脳の神経細胞の健全な働きに欠かせないのが、ブトウ糖と酸素による十分なエネルギー供給です。脳は体重の2%程度の小さな組織なのに、そのエネルギー必要量は全身で必要とする量の20%近くになるほどであり、酸素の消費量が増えれば当然、活性酸素も沢山生まれます。脳細胞や脳血管の酸化ダメージも他の臓器に比べて断然リスクが大きいことになります。
 頻発する活性酸素発生を瞬時に消去し続けて脳の酸化ダメージを防ぎ止めないと脳の老化がスピードアップしてしまいます。イチョウ葉エキスはこの現場で素晴らしい活躍をしてくれるのです。
 ドイツでは、認知症の他、めまい、耳鳴り、頭痛等の脳機能障害の症状改善においても、イチョウ葉エキスの効果が認められています。
 アメリカでも、レーガン元大統領に代表される高齢による認知症患者が増えつつあることが大きな社会的問題になっており、国立老化研究所(NIA)と、国立補完代替医療センター(NCCAM)が中心となって、予算を大々的に組んで、2000年から10年間をかけて、3000人強の認知症高齢者を対象にしたイチョウ葉エキスの大規模な臨床試験が実施されました。

シュワーベ社の 「EGb761」

 これらの臨床試験のほとんどは、ドイツのDr・W・シュワーベ製薬のイチョウ葉エキス「EGb761」をベースに行われてきました。
 ヨーロッパ諸国で認知症、耳鳴り、めまい等の治療薬として認可されているのも、Dr・W・シュワーベ製薬のイチョウ葉エキス「EGb761」であり、アメリカの認知症対策の国家プロジェクトで臨床試験に採用されているイチョウ葉エキスも、Dr・W・シュワーべ製薬の「EGb761」です。
 ドイツのコミッションE(薬用植物の効能に関する公的評価委員会)においては、薬用植物の品質基準を厳しく定めており、イチョウ葉エキスの製造法、フラボノイド、テルペノイド、ギンコール酸の含有量の規格を示しています。有効成分と有害成分の含有量については、「フラボノイド類を24%以上、テルペノイド6%以上を含有し、ギンコール酸の含有量が5ppm以下」という規格が設けられており、この含有量基準も、Dr・W・シュワーベ製薬のイチョウ葉エキス「EGb761」がベースになっています。
 これはアセトンで有効成分を抽出していますが、日本はエタノールで抽出しているので日本製のイチョウ葉エキスは「EGb761」並みのパワーがあるといえないところがあるともいわれています。

ギンコール酸は 取り除く

 イチョウの驚異的な生命力を支えてきた理由の一つが、外敵からの脅威に対抗するためにイチョウ葉が保有している強力なアレルギー物質です。
 この一つが「ギンコール酸」であり、これを除去することなく体内に吸収すると、腹痛、湿疹、下痢等の辛い症状や様々なアレルギー症状が発生することが多いのです。
 従って健康雑誌に時々出ている、「イチョウの葉っぱを煎じて飲みましょう」みたいな真似は決してしないようにしましょう。ギンコール酸をうまく除去したイチョウ葉エキスのサプリメントでないと、結果は裏目に出てしまう危険があるからです。
 ちなみに私は愛用している微量栄養素総合サプリメントに、イチョウ葉エキスがそれなりに入っていますので、あまり心配していません。しかし、総合サプリメントには最近、長寿遺伝子にスイッチを入れるといわれるトランス型レスベラトロールが加わったので、より長生きするとすると、その最後の日まで認知症にならないよう、毎日しっかり食事の度に総合サプリメントを摂り続けたいと念じています。