物忘れ・認知症23

認知症、似て非なるもの

 今回は認知症のそっくりさんの話です。
 大事なことも片端から忘れ、新しいことも覚えられず、今がいつだか、自分がどこにいるのかもわからなくなるという、認知症としか思えない様子なのに、実は認知症ではなく、短期間に元の自分に戻ることが可能な脳の不調の人が、今の日本に推定で約30万人はいると言われます。認知症人口が約200万人と言われていますから、認知症と言われている人の約15%が実は認知症ではなく、適切な処置を受けると速やかに元通りに復帰可能な脳のトラブル持ちだということです。

特発性正常圧水頭症

 皆様の周りに認知症とおぼしき人がいても認知症ではない人が結構いるということです。
 その代表例は一つは、以前にもご紹介した「特発性正常圧水頭症」。もう一つは「慢性硬膜下血腫」です。
 どちらも脳神経外科の腕の良い先生に、急いで処置してもらうべき脳のトラブルで、今は深刻な認知障害を伴っていますが、トラブルが解消されれば認知症と思われていた症状は速やかにウソのように治ることが期待できます。
 特発性正常圧水頭症については2010年11月号(No.444)で高齢者正常圧水頭症について詳しく述べましたから、ここではおさらい程度。特徴は、まず歩く姿が、がに股で足を引きずりながらのちょこちょこ歩き。膝が上がらず足首もうまく曲がらないので速くは歩けません。足踏みもできません。実は脳も地続きの脊髄も、そのケースというか、さやの中で、どっぷり脳脊髄液に浸かって保護されつつ存在しているのですが、その脳脊髄液のボリュームが増えすぎたため、脳がその水圧で圧迫されて正常な機能が失われてしまうと、認知症の様相・br> 呈することが多いのです。
 取り敢えずの応急処置として脳内の脳脊髄液のスペース、または脊髄のさやに刺し入れる特殊な注射器で適量まで抜きとるべく排水回路を作り、脳脊髄液を正常量に戻せば、1時間もしないうちに認知能力が元に戻るケースがあり、あの認知症としか思えなかった様子は何だったのかということになるのです。その後で脳脊髄液の調節がうまくいくような対策を打ち、これがうまくいけば全快
ということになるはずです。

慢性硬膜下血腫

 今回はこれとは別の、慢性硬膜下血腫の話。これも認知症になったのではないかと思える様子を見せます。
 例えば、頭を殴られたとか、何かにぶつけたとか、衝撃は大したことがないように思えても当たり所が悪いとなってしまうのです。交通事故、スポーツ事故でも危険性が高いわけです。
 特に脳が加齢で萎縮が始まっている人は、脳と頭蓋骨の間にある、くも膜や硬膜の位置にスペースが生まれるので、若いときに比べると危険性が高まります。
 何らかの事情で頭の一角に衝撃を受けても、外傷がなければやり過ごしてしまうことも多いと思われますが、その衝撃を受けたことも忘れかけた2ヶ月後くらいに突然、認知障害を見せるケースが多いというのです。
 多くの場合、吐き気や頭痛を伴い、手足が麻痺を見せることもあります。こういう症状が出たときは命に関わる緊急事態との認識を持ってCTスキャンかMRIがある脳外科に飛びこみ、映像化して診断してもらわないと危険です。
 一番疑われるのが、頭蓋骨と脳みその間にある硬膜の内側にあるくも膜が打撲の衝撃で破れ、脳脊髄液が少しずつ漏れて、硬膜との間に溜まっていくケースです。
 人間は体内で発生したトラブルを解消しようと自動的に修繕システムにスイッチが入ることが多いのですが、この場合、この液溜まりを吸収して無くしてしまおうと、その現場に吸収ホースとしての新生血管ができてくることが多いのです。
 しかし、目の奥にできる新生血管同様、これが脆くて弱いという問題点を抱えているので、ちょっとしたショックで破れて、止まらない鼻血のように出血が続くことが多いのです。
 そうすると、血液の混じった脳脊髄液が溜まり、血腫が袋状になって大きくなってしまい、じわじわと脳を圧迫していきます。脳室も潰れて脳の大ピンチになると、脳がまともに働けないので、認知能力も失われます。こういうときには同時に頭痛・吐き気が起きても不思議ではありません。まともに歩けないどころか、立てないことも多いのです。
 この血腫は固体ではないことが多く、外から小さい穴を開けて吸い出すことも可能なことが多いのです。いずれにしろ脳外科でこの血腫を取り除いてもらえれば、脳みそが元の形に戻り、認知能力も元に戻るケースが多いのです。
 認知症そっくりの様相を見せるのは頭に衝撃を受けてから2ヶ月後くらいの人が多いので、頭を打ったときは、そのときに何らかのメモを残しておかないと、後からでは手がかりが得られなくなるおそれが高いのです。
 それはともかく、頭への打撲、例えば車から出るとき側頭部をドア部の上部にぶつけてしまったとか、尻餅をついたときたまたま後ろの柱に後頭部をぶつけたとか、家の中で家具の出っ張りに、おでこをしたたかぶつけてしまったとかして、そのあと忘れた頃に頭痛とか手足の麻痺、吐き気があり、認知症のようになったらすぐ脳外科でCTスキャンにかかりましょう。

波動医学の出番

 しかし、こういう事故は日常的に起きるので、2ヶ月ほど待って深刻な症状が起きてくるまで待つというのもどうでしょうか? 脳に軽い衝撃を受けただけで、これという症状も出ていないのに脳外科に行ってCTスキャンやMRIにかかるというのもどうでしょうか? 考えてしまいますね?
 深刻な症状が出たときはためらわず脳外科のお世話になるべきですが、それまでは何もしないのではなく、熱海のお元氣保養所「せせらぎ」に3台常備しているロシア波動医学の傑作機「フィジオスキャン」で脳各部の生命波動を詳しく調べてみるのが良いと考えています。これで異常を察知し、修正に努め、それでも解決しないときに脳外科に行くのが良いのではと思っています。
 フィジオスキャンでは、脳の各部をビジュアル的に詳細に画像で映し出し、その部分の生命情報を波動の共鳴現象を利用して正常部、異常部を一目瞭然に6段階に評価して見せてくれます。黒く映し出される6点、5点のところは、波動共鳴で見ると明らかに異常部です。これが心配しなくても良い正常範囲の4点、3点になるようにクリックを繰り返しているうちに、怪しいところの波動が改善され、実態的にも異常じゃなくなってくるというのがこの道具のウリです。単なる診断機ではなく、宇宙人の知恵を借りた量子医学の治療器とも評価する人が
いるのは、大いにうなずけます。
 脳だけでも20画面、一つの画面での評価ポイントはかなりの数あり、脳部だけでもその合計は約1600ポイントです。
 日常生活で頭に打撃を受けた覚えのある人は、将来の認知能力喪失に備え、今のうちに頭部・脳部全体を調べてみることをおすすめします。
 また、頭の打撲の覚えがない人も、現在ないし近い将来の認知症が心配であれば、海馬や扁桃体周辺に注意してフィジオスキャンをしておくのが良いでしょう。