健康セミナー健康講座

─ヒトはなぜ生活習慣病になるのか
その1 生活習慣の何が問題になるのか ──細胞内感染A

まず病気とは何か?
〜全ての共通点は 細胞内感染〜

 病気を定義づけるのが仕事の内という西洋医学が、病気を細かく分類して数万種類になったとしても、その共通点は一つ、細胞内感染症ということができます。
 細胞が次々と感染し、特定の臓器がそれを構成する多細胞同時不全で臓器疾患、やがて、他の臓器までどんどん感染が広がって、本来の働きができなくなれば多臓器同時不全、全身重要臓器に広がれば死にいたる病ということになります。
 コレラ菌とか、鳥インフルエンザウイルスなど、感染すれば死につながる危険性が高い病原細菌やウイルスに取りつかれれば、当然命取りの病気として緊急に対処されますが、免疫不全症など、体内に免疫がないなど防衛のシステムに問題があって、多数の細胞内にハイスピードで同時感染されていく場合では、命取りの細菌ではない通常ありふれて体内にいる常在菌でも、命のピンチにいたるわけです。
 糖尿病や動脈硬化・高血圧とかガン・ウツなどの典型的生活習慣病と、これらの怖い激しい病気との違いは基本的には、菌やウイルスの違いです。
 普段から人間にまとわりついて暮らしている常在細菌による細胞内感染症が生活習慣病です。生活習慣病はメタボからなどといって、生活習慣病を含むすべての病気はウイルス・細菌・バクテリアなどによる細胞内感染症だということを見落とさないことが大事です。

バリアとなる 皮膚と粘膜

 人間は60兆の細胞が一塊になって組織をつくり命を維持していますが、その生命体と外界との境界面が皮膚です。見えるところは角質層がある皮膚が境界面です。
 ほっぺに指を立ててずらし、唇の中に持っていくと地続きで粘膜となります。この粘膜も皮膚、角質層がない皮膚です。60兆の一塊の組織からみたら、口の中は体の外です。粘膜と角質層のある皮膚という境界面に包まれているところが人体の内部になるので、口の中は人体の外側ということになります。
 粘膜の地続きを探っていくと、喉を通って食道の中、やがて胃袋。この中は体の内側でしょうか?外側でしょうか?
 外側なんですね。60兆の身を竹輪に例えると、焼けている外側は竹輪の身からみて外側ですが、焼けていない穴の壁の外側、つまり管に当たるところも地続きで外側ですね。
 だから胃の中も腸管の中も人体の外側なんです。そこに膨大な数の腸内細菌が棲み着いています。体の外側で生きていますから細胞内感染ではありません。付着しているだけです。善玉菌あり悪玉菌あり日和見菌ありで、互いに勢力争いをしつつ棲み分けているのは、どこか人間社会の縮図のようです。

動物性食品と、 冷たいものの摂取が 腸粘膜バリアを 破壊する

 ヒトは一千万年くらい前、草食動物のゴリラの仲間から分かれてヒトになってきたといわれますから、ヒトがヒトとして類人猿から分かれた頃は草食動物でした。
 それが生存の過程で雑食もするようになって、動物性食品も少量なら消化もできるほど新しい環境に適応もしてきましたが、依然その形態はくねくねと長く、草食動物の腸の形態で、消化液、消化酵素も動物性の食物は上手に消化処理できるのはほんの少量で、少し食べ過ぎると消化より早く動物性食品が腸内環境で腐敗を始めてしまうのです。
 その栄養素のバランスの良さから完全栄養食品といわれる卵も、腐敗すれば自殺もできる硫化水素ガスを発します。肉や魚は消化管の中の温かさで腐ってしまえばアンモニアガスを発します。
 これらが粘膜に炎症を起こさせる毒ガスというのはおわかりいただけますよね。炎症を起こした粘膜や皮膚は、ウイルスや細菌にはバリアとはなりませんので、腸内細菌やらウイルス・バクテリアの類がそこから大量に人体内になだれ込んでくる恐れがでてきます。
 ヒトの腸壁の温度は37度があるべき温度ということですが、冷たいものの飲み食いやプールなどでお腹を冷やしてしまうと腸壁の温度も下がってしまいバリア機能を失うので、腸内細菌やウイルスなどが止めどもない大量の数で入り込み始めるのです。

腸管の免疫

 腸の壁の内側は60兆の細胞でつくる人体内部ですが、リンパ液、細胞外液の緩やかな流れがあり、血管の中は血液の急な流れがありますから、そこに腸壁をすり抜けて入り込んで液体中に拡散されたウイルス・細菌は簡単に全身に巡ってしまいます。
 少量ならば白血球が食菌したりして消してくれますが、腸内細菌の数は百兆個から千兆個の間という夥しい数なのですから、多勢に無勢で白血球が追いかけ回しきれないことになりかねません。
 また、白血球と細菌が闘えば、いつも正義の味方・白血球が勝つとも限りません。半殺しの細菌をくわえ込んだままへたばりかけた白血球が、例えば関節内部に流れていく、細菌を連れ込むということもありうるわけです。これは関節炎のもとになりますね。
 炎症が起きれば細胞膜にも飛び火して細胞内に感染していく条件もつくられます。

腸の健康は 脳の健康を保つ
〜細胞内感染から 精神疾患も!!〜

 脳に多量の腸内細菌がなだれ込んで脳炎を起こし、脳細胞内感染症となればウツから各種精神病に簡単になります。風邪をひくようにウツになっても不思議はないわけです。怖い日本脳炎の病原体が脳に入らなくても、腸内細菌が多量に脳内に入れば、脳炎でも脳内細胞感染症は簡単に起こりうるのです。
 脳血液関門というのがあるといいますが、細菌やウイルスはそのチェック対象ではありません。ウツになるときは簡単に通過しているのです。
 この頃おかしいと思いません? 
 親が子を殺してみたり、子が親を殺してみたり。はっきりいえば気狂い(きぐるい)というか、キチガイ沙汰ですよ。本当にキチガイが増えてるんです。
 また、精神病院自体がそうです。患者さんを入院させるだけだったら、よほど人数を沢山入院させないと採算がとれないそうですね。今式は、大量に薬を与えて暴れないように大人しくさせ、一応、世間で生活ができるように、仮面の姿にして、入院はさせない、させてもできるだけ早く外へ出すようにします。
 でも、それは本当に治ったのではなく、あくまで薬の力を借りた仮の姿ですから、また数ヶ月、数年したら多くが入院しに戻ってくるか、犯罪を犯して刑務所にいくか、確率的には予測がついているそうです。
 ところが患者を早期に外に出すようにすると、入院させられる数の約10倍の患者の面倒をみられ、採算的にも病院には都合が良いそうでございます。だからちょっとおかしい目つきの人が世の中うじゃうじゃいるわけですね。
 動物性食品も冷たい飲料も無制限ですから、臭いオナラ、つまり腸粘膜に炎症を起こさせたり荒れさせたりする人がそれだけ多いということです。腸の中の悪玉菌が腸の壁をすり抜けて大量に人体内に入ってきて、大量に脳にいき脳細胞内感染症を起こさせたということです。
 血管だってそうです。血管の中にばい菌が入り込んだやつ、これが血管病の正体。だからいかにして腸の壁を荒らさないかというのが病気を防ぐいの一番に大事になるのです。    (つづく)