免疫力を高める合宿 A

免疫力・生命力と ライフ フィールド(場)

 熱海の半断食食育養生所は宿泊でこられた方の免疫力を何とかして上げようという合宿所です。免疫力を上げる具体的な方法をお教えし、その方法を体得していただくことを主眼としています。
 我々人間を含む生き物は、その生存している場の影響を強力に受けています。暮らしの場次第で、免疫力・生命力も大きく変わるのです。ご自宅だけでの生活のみでは治らないといわれた一昔前の死病「結核」という病気も転地で生活環境を大きく変えたら、とうとう治ったという話は昔からよく聞きます。ご自宅を出られて養生所にこられる方は、やはり養生所の場にいったん身をおくことで、何らかの体の不調を好転させるきっかけをつかみたいという方がほとんどです。養生所で覚えた生活改善の方法をご自宅での生活に応用して病気と闘おうとい
う方も多いのです。
 短いようでも結構長いのが人生です。毎年数回、ときどきは養生所に顔を出されて、いろいろな方々や貴重な情報との出会いを生かして、ご自分の健康戦略の軌道を修正し、新たなエネルギーを蓄えるというのも大いに意義のあることであるとつくづく感じる今日このごろです。

ガンになって しまったけど

 さて、ここのところ、ガンとわかってしまったのだが、まだ死にたくない、苦しみたくない、何とかならないかという相談を兼ねて長めに滞在する方も何人かいらっしゃいました。
 現代医学の病院でガンと診断され、さて、どうしようかというのです。診断してくれた病院では、抗ガン剤、手術、放射線治療をしてくれるということを図解つきで説明してくれるのだが、その通りの治療を受けたとしてもガンが治るという希望が持てない、一足先に同じ病院で同じように説明を受けて治療を受けた同じ病状の先輩患者さんが、薬の副作用などで、かえって次第に体力を消耗して、最後は医師も手の打ちようがないところまで生命力が落ちてしまって、最後はあっという間に亡くなってしまった、自分も結局その跡をたどるのではないか
という不安が頭を去らない人は、どうしたら良いのか深刻に迷ってしまうのです。
 抗ガン剤、手術、放射線治療を勧める医師は、腹の中では、これらを組み合わせても、この患者もまず治らないだろうなと思っていても、そんなことはおくびにも出しません。今までも、つらいかもしれないこの方法で治った人はいました、あなたにも最善と思われる方法をお勧めしているのですと強くいい切ります。そして食事療法で治るガンなんてありませんよと自信を持って断言しますし、そんな世迷い言をいって現代医学の治療を受けることを拒否するならすぐ退院してください。検査だけ受けるというのは認められません、と強硬にいうので、
現代医学と代替医療の間で迷える子羊になってしまった患者はそんなご機嫌斜めの医師の横暴にも逆らえず、泣く泣く現代医学のまな板の鯉になってしまい、体力の衰えとともに気力も落ちてしまい、最後はその病院で息を引き取る羽目になることが多いのです。そうなっても、医師ははじめから腹の中ではどうせ治らない病気だと思っているのですから、患者が苦しんで苦しんで亡くなっても、自分としては最善の手を尽くしたんだという自己瞞着の鎧を着て、心の痛みなんか感じてはいません。
 そういう憂き目にあいそうになった方が相談ということで、少しでも参考になればと話を聞きたいとこられる方に、私はガンとわかってもあわてるな、あせるな、宣告した医者の説明はきちんと聞くが、それだけにとらわれず、まず一服して、確率的に一番生き生きと暮らせて、かつ、生き延びられそうな道を、視野をひろげて急いで探せ、と語っています。そして、がんになろうがなるまいが、人の生存期限はもともと有限なもので、最後はみんな死ぬんだよ、それまでに何をしたいの?と聞くことにしています。何か使命感を感じてその達成を心がけ
ている人とか、この世で成し遂げたいことがある方は、早くやってしまえとハッパをかけます。それにはガンに負けてはいられませんし、抗ガン剤などをやられたら、体はめろめろになり、免疫力もガクンと落ちて、やりたいこともできなくなりますよといいます。その点、抗ガン剤と放射線なしの手術だけなら、一時的なダメージはあっても回復すれば元気を取り戻せますから、私はそれには反対はしないのです。現代医学に何が何でも反対というわけではありません。代替医療に取り組むにしても、快方に向かっているのかそうでないのかの検査は必要
ですし、正確にチェックしていくには、現代医学は優れた面を持っているので、それと縁を切る必要はないよともいっています。

万病の元、 活性酸素分子種

 その人の遺伝子に傷がつき、普通は入らない筈の発ガンスイッチが入ってしまったのは、何かの重大なトラブルがあったのです。気はついてないかもしれませんが、何らかの原因があったのです。因果関係は証明されないとしても、原因のない結果というのはないのです。今の医学では遺伝子に傷をつけたのは、何らかの活性酸素分子種であろうという考えが主流です。これは大いに頷ける話です。
 生活全般の中に活性酸素分子種が細胞の中でも生まれてしまうリスクがつきまとっていたということなのでしょう。
 何が原因だったのかということは、あれこれ推定が重なる話になるので、確たる証拠というのは見つからずじまいになるのでしょうが、推測はご本人ならばある程度見当がつくはずです。
 よくいわれるのは、かなりの期間、ストレスが強い生活を余儀なくされたという話です。肉体的にも精神的にも、継続的な強いストレスは自律神経の交感神経を慢性的に興奮させ、その結果、全身の動脈壁の筋肉が緊張気味になり、血管が収縮し、血流量が減って酸素不足になれば、局所的にそれをカバーするために活性酸素分子種が生まれてしまうということは十分あり得る話です。
 交感神経の慢性的興奮は、白血球の顆粒球を増やし、ガンと闘うリンパ球の数を相対的に減らします。顆粒球増多の結果、全身で炎症が起きやすくなるので、遺伝子にも傷がつく危険性が増えます。
 免疫力の正体は体内に侵入してきたウイルス・ばい菌・バクテリアなどを白血球が消化して消滅させる能力です。消化する過程で活性酸素分子種を活用するので、その流れ弾が血管内皮細胞をはじめ様々な器官の細胞群に炎症をもたらし、細胞の核に納まっている遺伝子を傷つけ、発ガンのスイッチを入れてしまう危険性を増やすのです。
 だから、冷たいものの飲食や、睡眠時の口呼吸厳禁など、体内に大量にウイルス・ばい菌・バクテリアなどが侵入してくる道をふさいでしまうことは、免疫能力を無駄遣いさせず、免疫力を高いレベルで保持する基礎ということになります。
 そのメカニズムを軽視してしまう生活の中に、やがてガンになってしまうほど免疫力を落としてしまう原因が潜んでいたのでしょう。

間違った食育

 食べ物も間違うと全身に炎症を起こさせ、ガンや糖尿病、血管トラブルを起こす有力な原因になります。その間違いの根本は、ヒトを草食動物系の生物と認めないことです。現代医学・現代栄養学の一番の問題点はヒトは雑食動物として暮らしてきたのだし、その方法こそがまんべんなく栄養素を確保するのに一番良いと認め、タンパク質を摂るなら動物性のもの半分、植物性のもの半分がベストチョイスであるとして、物心もついていない子供のころから「好き嫌いしちゃ駄目よ、残しちゃだめよ」と一生しつこく教育していることです。
 しかし、草食動物が草食のみで生活している限り、ガンも糖尿病もないのです。草食動物が動物性のものも食べる雑食をするようになるとトラブルの連続となるのです。草食動物のサルから進化した人は、食物確保の必要から雑食となり、家畜も飼うようになって、次第に、今の人間のように肉食動物も顔負けというくらい動物性のものを好んで食べるようになる者が増え、ガンも糖尿病も血管病もアレルギーも増えてきたのです。動物を狩りして食べる習慣から気性も荒くなる人が増え、食欲性欲物欲から始まって欲望の肥大化が進み、ヒトは今や金銭
欲の集団的ヒステリーとなって、自分の欲望の充足のためならば他人に寄生したり抹殺したりすることも正当化できる精神構造を持つようになったのです。
 本来の食性無視の生活は、ヒトの身も心もやがてズタズタにするのです。早くもズタズタになって淘汰されゆく姿がガン・糖尿病・血管心臓病・精神病から始まる生活習慣病なのです。
 病気になってしまったときは、これくらいのことに思いを巡らせ、今までの人生態度をガラッと変えるぐらいの根本的対策に取り組まないと追いつかないケースが多いのです。
 草食動物のゴリラの仲間から進化してきたご自分の出自に思いをいたし、ヒトの遺伝子の97%はゴリラの遺伝子と同じであることに思いをはせ、自分の爪や歯の形が草食動物型ということに気がつけば、病気になった今こそ動物性食品とキッパリ縁を切る良い機会であるとして、食生活の根本的改善に積極的に取り組んでもらいたいものです。
 しかし、ヒトは場の転換というきっかけがない限り、なかなか従来の生活習慣を変えることは難しいのです。頭で考えて、根食改(根本的食生活改善)の必要性が感じられたら是非熱海の養生所の場でしばらく生活して見てください。
 体温が上がり、免疫力が上がるということはこういうことなのかと体得されるはずです。

楽農泉
コーヒー洗腸・ マイルド加温と ビデオ学習

 草食動物が動物性のエサを食べるとろくに消化されず、腸内で腐敗し、ガスの圧力が腸壁がぷっくり外側にふくらむ憩室をつくらせ、そこに大便が液状で流れ込み、酸性腐敗宿便化すると炎症を全身に広げ、脳卒中やらガンのもとになるのです。脳動脈内皮細胞に炎症をもたらせば脳卒中のもと、膵臓に炎症を起こさせれば糖尿病のもと、各器官の細胞に炎症をもたらせばガンのもとです。
 養生所で体得していただく楽農泉コーヒー洗腸はこれが解決できる優れた方法です。
 養生所は医療機関ではありませんから、いわゆる治療行為をしているところではありません。現代医学を否定しているわけではありませんが、それが軽視している免疫力を上げる食事療法・栄養療法を重視します。
 マイルド加温でヒートショックプロテインを増やし、冷えている体温が正常値まで上がるような工夫をお教えし体得していただきます。体温を一時的に舌下温が38度程度まで上げていただくと免疫力は飛躍的に上がります。ガンと闘ってくれる白血球が活動しやすくなるようなお手伝いの一環です。
 その他、心のサポートの一つとして、やっていることの意義が理解できるようなビデオ学習、そして笑いがわくようなビデオも用意しています。
 根食改の意義が今ひとつ得心がいっていない人は、主治医などから滋養になる肉や卵や牛乳などもほどほど摂っていないと、病気と闘う体力もつかないよなどといわれてしまって、ふらっとして、そうかな?と思って養生所から戻って焼き肉屋に飛び込んだという人もいました。健康の様々な要素をテーマにしっかり学習していただく素材をビデオで沢山用意しましたから、滞在中にそれを活用する学習時間も確保していただきたいものと念じております。