病気はこうして治る

新陳代謝の流れを考える

 病気が治る原理 

 私たちが提唱する根本的食生活改善の食事・栄養療法をやってみると、生活習慣病をはじめ、大抵の病気が半年もしないうちに治ってしまうことが多いということに気がつきます。
 これは、病気が治る原理にかなっている方法だからです。
 私たちは病気が治る原理として新陳代謝を考えています。1日の間に、新陳代謝でなんと1兆個もの細胞を入れ替えているのです。つまり、毎日1兆個の細胞が死んでいきますが、その近辺の元気な細胞を細胞分裂させて2個にし、その1つを失った細胞の後釜にして成長させるのです。
 トラブルがおきた細胞が減って、元気な細胞に置き換わる新陳代謝が毎日1兆個の細胞でおこれば、1ヶ月で30兆個、2ヶ月で60兆個の細胞が入れ替わる計算になります。私たちの体の細胞はもともと60兆個ですから、2ヶ月で基本的に入れ替わるボリュームの新陳代謝の流れがあるというわけです。
 一概にはいえませんが、数ヶ月もみておけば大抵の病気は良くなり出して快方に向かい、半年もあれば全快の目処が立っていても不思議ではありません。この新陳代謝の、かなり早い流れが無ければ病気は治るわけがありません。そもそも生命とは「タンパク質・核酸・糖・脂質から成る水溶性のコロイドの電気現象を中心としたエネルギー代謝の回転と同時におこる新陳代謝のシステム」(西原克成先生著作より)のことなのですから、これは当然のことなのです。

新陳代謝が 盛んな時間帯は

 この健康づくりの要、新陳代謝は、ヒトを含む哺乳動物の場合温度の影響が大きく、特に夜寝ている間に温かさが保たれていれば、活発におこっているといわれます。
 そして温かくして寝ている間に、ある種の成長ホルモンが脳から分泌され、その刺激を受けることと、寝ていれば重力ストレスから解放されるので、その克服のために使われるエネルギーがないので修繕の余力が生まれるということでしょう。
 そして順調な新陳代謝の進行のためには、毎日1兆個の細胞をつくり続ける材料である3度の食事から得る栄養素をきちんと揃えることが大事です。
 新陳代謝をすすめる遺伝子の振る舞いは、スイッチが入れば、あとは自然界の摂理に従って自動的に展開していきます。このスイッチは無意識を含む精神作用でもオンになるそうですが、毎晩夜中の睡眠中に入る新陳代謝のスイッチは、ホルモンの分泌が引き金となって、自動的に発動されています。

自然の摂理を守って 暮らすべし

 この遺伝子が従っているのは、人間界のルールである法秩序ではなく、自然界の摂理です。
 だから日頃の生活ぶりが自然界の摂理から見て、道を踏み外していないかどうかというのが、問われてしまうのですね。その道の枠内であれば多少右によろうが、左に傾こうが遺伝子の発現状況にとって大した問題にはなりませんが、自然界の仕組みから脱線してしまうと、生理的な混乱がおこり、様々な健康トラブルとなってしまうのです。
 3度の食事の摂り方が2度になろうが4度になろうが自然の摂理の枠内です。しかし、草食動物が、自然の仕組みからいって消化吸収処理がうまくいかない動物性食品を多量に食べるというのは、もはや自然界の摂理で想定されている道を踏み外す振る舞いなのです。
 明らかに草食動物であるウマを飼っている人は、明日が競馬だからといってスタミナつけろ、敵に勝てなどといってウマに卵焼きやビフテキ・トンカツなどは絶対やりません。純粋な草食動物であるウマは下手をしたらその晩のうちに腸捻転などで苦しんで死んでしまうからです。
 ところが栄養士、保健師、大抵の医師たちは、人間を雑食動物とみて、何でも食べろ、肉を食べないようにこだわるのはかえって良くないなどと考えているのです。
 生活習慣病が止めどなく増えていく根元は、ここに問題があるのです。現代の盲点です。

人間を雑食動物と みないこと

 人間は確かに数万年にわたって飢えに苦しみながら、植物性の食品をベースにしながら、動物性のものも積極的に食べる生活をしてきましたから雑食の歴史を歩んできたといえます。しかし、私たちの体つきを子細に観察すると、果物とか木の実とか葉っぱをもっぱら食べていたアフリカジャングル暮らしの時代に形成した霊長類ヒトの遺伝子がいまだに根っこのところでいきづいているため、草食動物の特徴が随所に残っているのです。たとえば餌をとるための手の先についているツメは、いまだに6万年前のヒトそっくりの食生活をして木の実、果実
、葉っぱ暮らしのゴリラのツメそっくりです。歯も草食動物系ですし、腸もくねくね10メートルはありますから、明らかに草食動物系霊長類の腸です。全ての臓器は遺伝子情報でつくられますから、その腸に付随する肝臓も腎臓も膵臓も、長い間の環境の変化に適応してきたとはいえ、依然基本的には草食動物系の肝臓、腎臓、膵臓です。
 その新陳代謝に必要な栄養素を遺漏無く取り揃えようとして、手っ取り早く「完全栄養食品」の卵や高タンパク食品の肉、さらにはカルシウムがとれるとかいって牛乳に手を出せば、自然の摂理からの逸脱で、草食動物系内臓にとっては上手に消化吸収処理が出来ず、血管もおかしくなって様々なストレスとなり、調子が狂い、ついには生活習慣病になっていくのです。
 だから新陳代謝を上手にすすめるには、遺伝子の従う自然界の摂理にそった範囲の食材の範囲で、つまり動物性のものは極力食べないで、精白しない穀物、豆類、様々な野菜類、木の実、果物など中心の食事にし、現代を力強く生き抜くのに必要なミネラルとかビタミンなど微量栄養素はサプリメントで毎日、食事の時に補っておくのが「病気が自然と治っていく食生活」ということになるのです。

免疫力もあげる工夫

 この新陳代謝は体が冷えていたらうまいことおきないのですが、病気を克服する免疫力にも温度依存性があり、1〜2度体温が下がると白血球の有害物・微生物の消化力が失われますが、逆に平熱より1〜2度上昇すると、この力は非常に増すという特徴がある(西原克成先生の著作より)ので、夜寝るときには、程良い温かさのお風呂にゆったりと入り、温かい布団にくるまれて寝ることがとても大事ということになります。
 このときマイナスイオンコスモシートや源泉バンドを上手に使うと、血液の流れがうまくいって平熱も正常化する人が多いので、これも新陳代謝を活発にするお役立ちグッズということになるでしょう。